鍼灸

整骨院で鍼灸の施術をみかけることはあっても、実際にどんな施術なのかご存じない方も多いのではないでしょうか。
鍼灸は、それぞれ専用の鍼とお灸を用いて皮膚の上から刺激を与え、身体の内側の不調にアプローチする施術です。

なかなか改善されない肩こりや腰痛などの慢性的な痛みや、原因のわからない不調にお悩みの方は、鍼灸の施術をお試しください。

●鍼とは

鍼灸は、古代の中国で誕生した歴史ある施術といわれています。
東洋医学の「身体の内側を整えて不調を解消する」という考え方が基盤になっています。
人間の身体には気（エネルギー）・血（血液）・水（水分）が流れており、これらがバランスを保つことで健康を維持していると考えられています。

反対にいえば、気・血・水のバランスが崩れれば不調が生じるということです。
鍼では気・血・水の通り道である「経絡」（けいらく）や、経絡の各所にある「経穴（ツボ）」に刺激を与え、血液やリンパなどの流れを改善して身体の不調の解消を目指します。

 

●鍼のメニュー内容

当院の鍼では、専用の鍼を使用して経絡や経穴に刺激を与えていきます。
鍼の特徴は次のとおりです。

・痛みの少ない施術

ツボの数は全身に361個あるといわれています。
患者様一人ひとりの不調やお悩みにあったツボへ鍼を打っていきます。

鍼で使用する鍼は、髪の毛よりも細く、先の丸くなった専用の鍼です。
医療機関で使用する注射とは異なるため、痛みが少ないという特徴があります。
また、使い捨ての鍼を使用するため、衛生面でも安心していただけます。

・パルス（低周波鍼通電療法）

鍼では、低周波パルス通電を使用することがあります。
鍼に低周波の電気を流しながら行う施術です。

●お灸とは

お灸も鍼と同様に、東洋医学に基づいた施術です。
身体の内側の気・血・水の流れを改善することで、不調の解消を目指します。

鍼では鍼の刺激で気・血・水の滞りを促しますが、お灸では熱刺激を利用します。
不調が現れている部分へつながる経絡や経穴にお灸を置き、燃やすことで生じる熱刺激でアプローチします。

また、お灸の施術では熱刺激を利用するため、身体を温められるというメリットもあります。
そのため、身体の冷えやむくみにお悩みの方にもおすすめの施術です。

 

●お灸のメニュー内容

お灸では、艾（もぐさ）を燃焼して熱刺激を与えます。
お灸の施術の特徴は、次のとおりです。

・気持ちよく温かさを感じる施術

施術で使用する艾とは、ヨモギの葉の綿毛を生成したものです。
艾を燃やすと熱くないのか不安になる方もいらっしゃると思いますが、やけどをするような熱さではなく、じんわりとした温かさです。

お灸には「直接灸」と「間接灸」の2種類があります。
直接灸は肌の上に艾を直接置きますが、間接灸では台座を挟んで艾を置きます。

そのため、熱さが不安な場合は間接灸を選ぶことも可能です。
また、当院では煙の出ないお灸を使用しているため、匂いが苦手な方も安心して施術を受けることができます。

・逆子の改善に使われることもある

お灸は、体内の気・血・水のバランスを整え、身体を温めて血行を促す施術です。
そのため、さまざまな身体の不調の改善が期待できます。
場合によっては逆子の改善のために施術を行うようなケースもあります。

●筋肉の緊張緩和

運動不足や不良姿勢など日常のさまざまな習慣が原因で筋肉は緊張し、硬くなる可能性があります。
こうした筋肉の緊張は、肩こりや腰痛につながります。

しかし、硬くなってしまうと自力でほぐすことがむずかしくなる傾向にあります。
鍼の刺激を与えると筋肉が収縮運動を起こすため、緊張が緩和されて柔軟性の向上が期待できます。

 

●鎮痛効果

鍼には痛みを緩和・解消する効果が期待できます。
鍼は、脳に痛みの信号を伝える神経をブロックするといわれています。

 

●血行促進

鍼の刺激で筋肉が収縮すると、血行促進が期待できます。
血行不良が解消されると、頭痛や眼精疲労の軽減につながります。
また、滞っていた疲労物質も流れるため、疲労の軽減も見込めます。

●自律神経を整える

お灸では温熱効果による「血行不良の改善」や「リラックス効果」によって、乱れた自律神経のバランスを整えることが期待できます。
自律神経が乱れると、倦怠感やイライラ、不安、めまい、耳鳴りなどさまざまな不調が生じます。

不眠やいびきなどの悩みも自律神経の乱れが関係しています。
お灸では自律神経の乱れを整え、このような不調や悩みの改善が期待できます。

 

●血行促進

お灸で経絡や経穴に温熱刺激を与えることで、滞っていた血行の促進が見込めます。
身体が温まると、緊張した筋肉もほぐれやすくなります。
血行促進と身体を温める効果により、婦人科系の不調の改善も期待できます。

鍼灸の施術は、身体のさまざまな不調にアプローチします。
鍼灸の施術によって改善が期待できる症状は、次のとおりです。

 

●肩こり、腰痛

肩こりや腰痛は、筋肉が緊張して硬くなっている状態です。
硬くなった筋肉によってこりを感じるようになり、血行不良が起こることで痛みを生じる場合があります。

鍼灸では、硬くなった筋肉に刺激を与えることで、緊張の緩和につながります。
肩こりや腰痛の緩和、改善が期待できます。

 

●頭痛

肩や首の筋肉が緊張して硬くなると、頭に送られる血液が減少して頭痛が生じやすくなります。
鍼灸によって、頭痛の原因である筋緊張や血行不良が解消されると、頭痛の軽減や改善につながります。

 

●眼精疲労

眼精疲労は目の使いすぎにより、目の奥の筋肉が緊張している状態です。
鍼灸で顔や首まわりの血行を促進させ、緊張した目の奥の筋肉をほぐすと、眼精疲労の緩和が期待できます。

 

●逆子

お腹の赤ちゃんの頭が下になっている状態を逆子と呼び、逆子は出産時に頭が出にくくなることやへその緒で圧迫される場合があります。
お灸で、子宮につながるツボを刺激する、温めることで逆子の改善が期待できます。

 

●自律神経の乱れ

自律神経は身体の循環器や内臓などさまざまな機能をコントロールする神経です。
ストレスや血行不良などさまざまな原因でバランスが崩れ、めまいや耳鳴り、倦怠感、イライラ、不眠など心身ともに不調を引き起こす可能性があります。

鍼灸で「緊張している部分の筋肉を緩和する」「血行を促進する」ことで、自律神経を整える効果が期待できます。
そのため、自律神経の乱れによって生じていた不調の改善につながります。

 

●婦人科系の不調

子宮に十分な血液が行き届いていないと生理痛や生理不順など婦人科系の不調が生じやすくなります。
鍼灸で内臓への血行不良を解消すると、婦人科系の不調の改善につながります。

鍼灸施術は、本来人間の持っている「自然治癒力」を活かし、弱っている部分を回復させる効果が見込めます。
鍼やお灸でツボを刺激することで、気・血・水の流れを整え自律神経系や免疫系に作用します。
筋の緊張を緩和させ、血液やリンパ液の代謝を向上させることにより、自然治癒力の向上、痛みの軽減にも効果的です。

当院では患者様の身体の状態によって、鍼の長さ、太さを調節します。

 

●パルス（低周波鍼通電療法）（ていしゅうははりつうでんりょうほう）

オームパルサーで筋肉を刺激することで、筋肉を支配している神経にある求心性神経も刺激していきます。
中枢神経に信号を送ることで、痛みを鎮める効果、反射によってホルモンの分泌や自律神経を調節する効果が期待できます。

筋肉や神経に対し、鍼を通じて電気の刺激を与えることによって「痛みやしびれ、神経痛の抑制」「ホルモンの分泌の活性化」「痛みの緩和」を図ります。

こりには連続波、マヒには断続波、痛みには疎密波が良いとされています。
患者様に合わせたパルスを行っていきます。

※大類院のみ施術（本院・茂呂院・グランジム整骨院へ要予約で出張可）