寝違え

現在のところ、寝違えが生じる明確な原因はわかっていません。
寝違えでは首がどのような状態になっているのかが、レントゲンによっても判明しないといわれています。

しかし、寝ている間の血流低下によって、寝違えの痛みが生じているのではないかという学説があります。

血流の低下により「首の筋肉のしこり」「筋肉の痙攣」「靭帯や関節包の炎症」などが誘発されていると考えられています。

 

●睡眠時の環境

不自然な姿勢によって首まわりの血管が圧迫されると、血行不良を起こす可能性があります。

・ソファーや床など、ベッド以外の場所で寝る
・枕やマットレスが身体に合っていない
・無理な体勢で寝ている、動けない環境
・首を高くして寝ている、もしくは首と寝床の間があいている

などが挙げられます。

 

●睡眠時の身体の状態

・前日に激しい運動を行った

疲労の蓄積により筋緊張が生じる。

・深酒をする

泥酔によって寝返りが少なくなり、首肩まわりの緊張が強まる。

・身体の冷え

冬場の冷気、クーラーの風などで身体が冷え、体温が下がることで筋肉が緊張する。

などが挙げられます。

●急性期

・しびれ

頸部の筋緊張によって神経が圧迫されると、手にしびれが生じることがあります。

・首の可動域制限

上を向くのがつらい、首を左右に捻ることができない（運転時の後ろ確認動作など）
痛みが背中や肩にまで及んだ場合、体幹の動きや肩の動きにも制限が出ることがあります。

・熱感

炎症が強く出ている場合、患部が熱く感じることもあります。

 

●慢性期

多くのケースでは、数時間〜1日を目安に強い痛みは徐々にひいていきます。

慢性期に入ると、次のような症状がみられることがあります。

・肩が重い
・患部がこわばる
・頭痛

頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症（けいついしょうせいしんけいこんしょう）、脊髄腫瘍といった脊柱の病気によって、頸部の強い痛みが生じているケースもあります。

「時間が経っても痛みが変わらない」「痛みが悪化する」「手や足にしびれを感じる」「発熱がある」といった場合には、早急に医療機関に相談しましょう。

●急性期

炎症によって熱を感じる場合には、氷水によって患部をアイシングしましょう。

また、痛みが強く出ている時期は無理にストレッチや体操をすると、痛みが悪化する可能性があるため、患部をなるべく動かさず、安静にします。

 

●慢性期

蒸しタオルやカイロなどを首のまわりに当てる、湯船に浸かるなどの方法で身体を温めて、血流を促進していきます。

また、もみほぐしやツボ刺激、ストレッチなどによって、筋肉の緊張を緩和させることも効果的であるといわれています。

 

●整骨院に行く

寝違えを起こした際には、可能であれば、整骨院に行くことをおすすめします。
専門的な処置（超音波、冷温罨法、電気施術、固定、手技など）を受けることで、疼痛の緩和と可動域の早期回復を期待できます。

●睡眠時の環境を整える

・枕の見直し

枕の高さが合っていないと、不自然な姿勢で寝ることになってしまいます。
寝返りした際でも、首や肩をしっかり支えてくれる、広めで低めの枕を選ぶようにしましょう。

また、寝返りがうちやすいように硬めの枕で寝ることをおすすめします。
柔らかくて頭が沈んでしまうと、寝返りがうちにくくなると考えられています。

・深酒を控える

泥酔した状態では、寝ている間の寝返りの回数が減ってしまうといわれています。

また、利尿作用から脱水状態となり、血行不良を起こす可能性もあります。
寝違えを予防するためには、深酒はなるべく控えるようにしましょう。

・身体を冷やさないようにする

身体の冷えは、循環の低下を招いてしまいます。
衣服や布団、暖房などを調整して、寝ている間に身体を冷やさないような工夫を行いましょう。

 

●運動の習慣を身につける

・首肩のストレッチ

お風呂あがりにストレッチをして、首肩の筋肉を柔らかくしておきましょう。
頭を横に倒して首肩の筋肉を伸ばす、下を向いて首の後ろを伸ばす（背中は丸まらないようにします）、上を向いて首の前側を伸ばすなどの方法が挙げられます。

当院では寝違いがなぜ起こるのかを細かく分析し、セルフケアや寝る体勢について指導させていただきます。

施術としては、筋緊張の緩和を目的としたマッサージ施術を行います。

炎症が起きてる部位にコンビネーション（超音波+電気）の施術を行い、炎症の軽減を目指します。

放置してしまうと痛みの症状が慢性化してしまうこともありますので、寝違えの症状がみられる方はお早めにご相談ください。