冷え・むくみ

むくみとは、何らかの原因で細胞間に余分な水分がたまった状態だといわれています。
血液中の水分が滲み出たもので、医学用語で「浮腫（ふしゅ）」とよばれています。

むくみの原因として、おもに血行不良が挙げられます。
循環の低下によって水分や老廃物の排出がうまくできず、身体のむくみへと繋がってしまいます。

身体の部位では、とくに脚にむくみを覚える方が多くみられます。
心臓からのポンプ作用が働きにくく、また重力の関係で身体の下部に水分がたまりやすくなっているためと考えられます。

日常生活において血行が悪くなり、むくみを生じる原因には次のことが挙げられます。

 

●水分バランスの乱れ

水分を過剰に摂取すると排出が追いつかなくなり、身体がむくみやすくなるといわれています。
反対に水分量が少ない場合も、むくみへと繋がってしまうことがあります。
体内の水分量を確保するために、身体が体内に水分をため込もうとするため、むくみを引き起こすと考えられています。

 

●長時間の同じ姿勢

長時間身体を動かさないとふくらはぎの筋ポンプ作用が働かず、脚に水分がたまりやすくなります。
デスクワークや立ち仕事などによって、とくに夕方になると脚に重みやだるさを感じるといった方が多くみられます。

 

●不規則な生活習慣

夜更かしをして睡眠不足の場合、疲労がたまり心臓のポンプ作用が弱まることがあります。

また、不規則な生活習慣は自律神経の乱れを生み、血流の低下を招く可能性もあります。
自律神経は血管の収縮や弛緩など、身体の循環をコントロールしていることが、症状を引き起こす要因として考えられます。

冷え性は、夏場や布団の中など寒さを感じない温度にも関わらず、身体に冷えを覚える症状であるといわれています。

体温は血液によって全身に運ばれているため、冷えはむくみと同様、血行不良がおもな原因として考えられています。

日常生活で冷えを生じる原因には、次のことが考えられます。

 

●薄着、クーラー

冬場でも薄い衣服を好んで着ている場合、外気によって体温が奪われ身体が冷えやすくなります。
また夏場であっても、クーラーの風に直接当たっていると身体が冷える原因になってしまう可能性があります。

 

●食事の影響

冷たい飲み物ばかり摂取していると、身体の冷えに繋がります。
また、夏野菜（きゅうり、トマト、レタスなど）は身体を冷やしやすいといわれています。

 

●不規則な生活、ストレス

自律神経の乱れによって体温の調整が正常に行われなくなるため、不規則な生活習慣やストレスによって自律神経が乱れると、身体の冷えに繋がると考えられています。

 

●運動不足

運動不足は、代謝の低下を招きやすいです。
くわえて、加齢や運動不足によって筋肉の量が減ってしまうと、筋ポンプ作用が弱まり身体の冷えに繋がるといわれています。

むくみや冷えを改善するためには、身体の血行を促進することが大事です。

 

●ストレッチ

冷えやむくみが生じやすいふくらはぎを重点的にストレッチしましょう。
アキレス腱を伸ばす要領で行うことがおすすめです。

またイスに座った状態で膝を伸ばし、反対側のかかとでつま先を手前に押すと、ふくらはぎから太もも裏側までをストレッチできるといわれています。

 

上記のストレッチはイスに座ったままできるので、デスクワーク中でも行えます。

 

●入浴

湯船に浸かった入浴で、全身の血行を促進させましょう。
身体がリラックスしやすいよう、少しぬるめのお湯に時間をかけて浸かることをおすすめします。

 

●足首の運動

足首を動かして、ふくらはぎの血行を改善しましょう。

・足首をぐるぐると回す
・つま先を上げ下げする

など、デスクワーク中や立ち仕事中でも、こまめに動かすようにしましょう。

また、冷え性の方は手の体操もおすすめです。

・グー、パーを繰り返す
・手首を反らしたり、手のひら側に曲げたりする

などが挙げられます。

●食事の見直し

・根菜類を食べる（冷え）

ニンジンや大根といった根菜類は、身体を温めやすいといわれています。
反対に冷たい飲み物や夏野菜は身体を冷やしやすいため、なるべく控えるようにしてください。

・塩分を控える（むくみ）

むくみの予防として、塩分を控えるようにしましょう。
塩分を過剰に摂取すると体内の塩分濃度を保つために、水分をため込みやすくなってしまいます。

 

●体温の調整

身体を冷やさないよう、暖房や衣服を調節し、体温を調整しましょう。
また、夏場であっても上着を準備するなどして、クーラーで身体を冷やさないように気を付けてください。

 

●適度な運動

血行を促進するために、適度な全身運動を行いましょう。
とくにウォーキングはふくらはぎの筋肉を使うため、冷え、むくみの予防に効果的であるといわれています。
大股を意識して歩き、腕を前後に振って歩くように意識することがポイントです。

 

●ふくらはぎのトレーニング

つま先立ちのトレーニングを行い、ふくらはぎの筋肉を鍛えましょう。

・つま先を最大限上にあげる
・かかとを上げてつま先立ちになる

上記の2つの動作を、交互に繰り返します。

 

●規則正しい生活を送る

不規則な生活は、自律神経の乱れに繋がるといわれています。
夜更かしはせずに、睡眠をしっかりととるように心がけましょう。

冷え・むくみは下肢の血行不良から引き起こされている可能性があります。

血液やリンパの流れが悪くなると、細胞と細胞の間に水分と老廃物がたまり、むくみを生じやすいです。
むくみは身体の末梢に多くみられ、特に顔や手、足に発生することが多いといわれています。
冷えも同様に末梢にみられることが多いと考えられています。

具体的な原因の例として、塩分の摂りすぎや水分不足が挙げられます。
水分は1日に1.5リットルとったほうがよいといわれています。

カリウムを多く含む食材を食べたり、下肢の血流をよくしたりすることにより改善を目指せます。

当院では血行不良を改善するお手伝いをしております。
日常生活で普段意識しないところがむくみを発生させているケースもありますので、一緒に原因を探し、改善を目指しましょう。