身体のゆがみ

背骨は本来、首と腰の部分が前弯していて、全体的にS字状になっているといわれています。

しかし、何らかの原因で弯曲がなくなり、背骨がC字状になると「猫背」や「ストレートネック」とよばれる身体のゆがみに繋がります。

鏡で自分の姿を見てみると、多少の左右差があるものですが、肩や膝、骨盤の左右の高さが著しく違っていたり、捻れていたりすると「身体がゆがんでいる」といえます。

側弯症（そくわんしょう）やくる病といった病気によって生まれつき骨格がゆがんでいることもありますが、ゆがみの多くは生活習慣の影響を受けていると考えられています。

 

●不良姿勢

背中が丸まり、肩よりも顔や顎が前に出た姿勢になっていると、背骨の弯曲が消失する原因になります。

日常の中で背中が丸まってしまう原因として、デスクワークでのパソコン作業やスマホの操作などの影響が挙げられます。
集中して画面を見ている際に前屈みになり、猫背の状態が定着してしまうといった方は非常に多くみられます。

そのほか、次のような姿勢のくせがあると、身体がゆがみやすくなるといわれています。

・脚を組んで座る
・頬杖をつく
・カバンをいつも同じ肩にかけている
・片足に体重をかけて立つ
・横座りやアヒル座りをしている
・スポーツや仕事で、いつも同じ腕を使っている
・同じ方向に身体を捻ることが多い

 

●筋力低下

骨格を支える筋力が低下していると、身体がゆがみやすくなるといわれています。
筋力の低下は、加齢や運動不足などが原因として考えられます。

 

●ストレス

ストレスによって交感神経が過剰に興奮すると、肩が縮こまり前屈みの姿勢で身体が緊張しやすくなると考えられています。

●身体の痛み

背骨はS字状に弯曲していることで、首や腰にかかる負担を分散しているといわれています。

しかし、身体のゆがみによって背骨がC字状になっていると、首から背中、腰部の筋肉が緊張しやすくなってしまいます。
緊張によって血管が圧迫され、痛みやこり感の原因となる筋疲労が蓄積します。
積み重なった筋肉の疲労により、肩こりや腰痛を引き起こすことがあります。

 

また、上半身だけではなく、身体のゆがみによって脚にかかる荷重バランスが崩れ、股関節や膝、足部の痛みにも繋がる可能性があります。
具体的な例として、変形性股関節症、変形性膝関節症、外反母趾などを発症しやすくなるといわれています。

 

●自律神経の乱れ

背骨まわりの緊張によって自律神経が刺激されると、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうことがあります。
自律神経は内臓機能や精神の状態をコントロールしているため下痢、便秘、イライラ、不眠といった不調を引き起こす場合があります。

 

●ケガ

骨盤がゆがみ、身体のバランスが崩れることよって転倒しやすくなり、ケガをするリスクが高まると考えられています。

また、ゆがみによって関節や筋肉に偏った負担がかかりやすくなるため、スポーツ障害の原因に繋がる可能性もあります。

 

●ヘルニア、狭窄症

C字状の背骨では、椎骨や周辺の組織（靱帯、関節包、椎間板など）に負担がかかりやすくなるため、ヘルニアや狭窄症といった背骨の病気を引き起こすリスクが高まるといわれています。

●適度な運動

適度な全身運動（ウォーキングなど）によって、身体を動かす習慣をつけましょう。

・肘を直角に曲げ、前後に大きく振って歩く
・骨盤から足を動かすように、大股で歩く

これらの点を意識することで身体の土台となる肩甲骨、骨盤まわりの筋肉を大きく動かすことが期待できます。

 

●姿勢改善

デスクワークでは背もたれまで深く腰掛け、骨盤、肩、耳の穴のラインが一直線上に並ぶよう、背中を伸ばした姿勢を意識しましょう。

また、机やイスの高さを調整することで、正しい姿勢をとりやすくなります。

・足裏が床につき、太ももが地面と平行になるイスの高さ
・背中を丸めなくても、パソコン画面を自然と見られる机の高さ

 

●ストレッチ

背中が丸まらないように、肩甲骨を意識的にストレッチしましょう。

・肩甲骨のストレッチ

手のひらを上にして背中側で指を組み、両腕をゆっくりと後ろに引いていきましょう。
腕を後ろに引く際に、頭を後ろに傾けると、より肩甲骨にストレッチを加えられます。

・タオルを使ったストレッチ

タオルの両端を、順手（手の甲が上）で持ちます。
両腕を上にあげ、タオルが頭の後ろを通過するように、脇を締めてタオルを下におろしていきます。

●ストレッチ

肩甲骨と合わせて、身体の土台となる骨盤周辺も、ストレッチにより柔軟性を高めていきましょう。

・お尻のストレッチ

仰向けに寝て、片膝を抱え込むようにします。
抱えた膝を胸に近づけるようにして、お尻の筋肉を伸ばしていきましょう。

・股関節のストレッチ

両足裏を合わせて、座ります。
背中を伸ばしたまま、上半身を前に倒していくと、股関節から太ももの内側の筋肉を伸ばすことに繋がります。

・太もものストレッチ

膝を曲げてかかとをお尻につけ、上半身を後ろに倒します。
この方法は太もも前のストレッチとしておすすめです。
次に、膝を伸ばして上半身を前に倒し、太もも後ろもストレッチしましょう。

 

●普段の姿勢に気を付ける

普段の姿勢に次のようなくせがないか、一度見直してみることも大切です。
くせがある場合は意識して改善することをおすすめします。

・いつも同じ側に脚を組んで座る
➞なるべく脚を組まないようにする

・カバンを同じ腕でいつも持っている
➞左右バランスよく持つ、リュックサックにする

・片足に体重をかけて立つ
➞左右バランスよく立つようにする

・スポーツなどで同じ側に身体を捻ることが多い
➞反対側にも身体を捻るよう意識的にストレッチを行う　など

どうしても脚を組まないと座りにくかったり、片足に体重をかけないと立ちにくかったりする場合は筋緊張のバランスが崩れていることが考えられます。
肩甲骨と骨盤まわりをストレッチして、身体のバランスを整えましょう。

まず、施術に入る前に全身の様子をみて、お身体の状態を分析いたします。

・なぜ痛みがでてきたのか
・なぜここまで身体が硬くなってしまったのか
・どうすれば原因を取り除けるのか

などを、カウンセリングの際に細かく説明させていただきます。

整骨院でそこまで細かくご自身の身体の状態を聞くことはあまりないかもしれませんが、当院では症状を改善するうえで、ご自身の身体の状態を知ることがとても大切だと考えておりますので、一つひとつ丁寧にご案内させていただきます。