眼精疲労

まず、目の仕組みについてご紹介します。

ものを見る際、カメラでいうところのレンズの役割を果たすのが「角膜」「水晶体」とよばれる組織です。

そして、「毛様体筋」の収縮、弛緩によって水晶体の厚みを変え、ピントが調整される仕組みになっています。

角膜、水晶体を通して網膜に映し出された映像が、視神経を通じて脳へと伝えられます。

長時間のスマホやパソコンの使用などによって毛様体筋が疲労すると、目の疲れを感じるようになるといわれています。
通常の目の疲れであれば、休憩することで回復することが多いです。

しかし、休息や睡眠をきちんととっているにも関わらず、目の疲れや痛みなどが十分に回復しなくなった状態を「眼精疲労」とよびます。

「長時間のスマホやパソコンの使用」のほかにも、眼精疲労を起こす原因には次のものが挙げられます。

 

●度数が合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用

無理にピントを合わせようとして、毛様体筋が疲れやすくなります。

 

●ドライアイ（目の乾燥）

エアコンの風、室内のコンディションなどで目が乾燥すると、ものが見えづらくなりやすいです。

 

●ストレスなどによる自律神経の乱れ

毛様体筋の収縮、弛緩は自律神経によって調整されています。
そのため、交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、毛様体筋への負荷が強まってしまうと考えられています。

 

●室内の明るさ

明るすぎても、暗すぎても目の負担となってしまいます。
丁度良い明るさに照明を調整することが大切です。

 

●タバコの煙

タバコの煙は目に刺激を与え、涙の分泌にも影響を与えてしまうといわれています。

また、白内障や緑内障といった目の病気によって、眼精疲労を生じる場合があります。

眼精疲労では、目の疲れのほかにも全身にさまざまな不調をきたすといわれています。

 

●目に起こる症状

・目の奥が痛い
・目がかすむ
・目の乾きを感じる
・目の充血

などが挙げられます。

 

●全身に起こる症状

・頭痛
・めまい、ふらつき
・首肩こり
・吐き気
・イライラ
・倦怠感

などが挙げられます。

因果関係は明確になっていませんが、目の疲れから前傾姿勢になってしまったり、自律神経が乱れたりすることで、身体の不調に繋がるのではないかと考えられています。

●パソコンの使用環境を改善

・イスの高さ

「モニターと目線がなるべく同じ高さになる」「両足裏が床につく」「肘掛けや机に手を置いて楽にキーボード操作ができる」といった点に気を付けて、イスの高さを調整しましょう。

・モニターの位置

眼精疲労を軽減するためにも、手を伸ばした距離を目安にモニターと目を離すようにしましょう。

・部屋の明るさなど調整

部屋が明るすぎたり暗すぎたりすることが、目の負担に繋がってしまいます。
丁度よい明るさに調整しましょう。（モニターの明るさも同様です）

パソコンの使用環境を調整しても、長時間モニターを見ていると目は疲れてきます。
1時間を目安に休憩を入れ、10分ほど目を休ませる時間を作りましょう。
→パソコンのモニターやスマホの画面を見ないよう、目をつむる、遠くを見るなどして休憩しましょう。

 

●セルフマッサージ

こめかみから頭皮、目のまわりにかけてを、セルフマッサージでほぐしましょう。

・こめかみ、頭皮

指の腹を使って、円を描くようにほぐす。

・目のまわり

目のまわりの骨（眼窩）に沿って、ツボを刺激する。
→筋肉が硬くなっている箇所や、押してみて痛気持ちいい箇所を重点的にほぐしてください。
※眼球は押さないように気をつけましょう。

●目のストレッチ

目を見開き、上下左右に大きく眼球を動かしていきます。
右回り、左回りをバランスよく繰り返してください。
→数回繰り返したら、目をつむって休憩しましょう。

 

●血行促進

仕事終わりや寝る前など、蒸しタオルを当てて目のまわりを温めましょう。
また、湯のみにお湯を入れ、その湯気を当てて目を温める方法もあります。
→首肩こりがある場合は、首肩まわりも温めましょう。

 

●メガネの調整

近視、遠視、乱視、老眼など年齢とともに目の状態は変化するといわれています。
一度メガネを作ったからといって放置せず、定期的に目の状態をチェックしておきましょう。

 

●近くを見る、遠くを見るを交互に繰り返す

近くのものばかり見ていると、毛様体筋が緊張しつづけてしまいます。
近くのものと、遠くのものを交互にピントを合わせ、毛様体筋の柔軟体操を行いましょう。

 

●規則正しい生活習慣

不規則な生活はストレスとなり、自律神経の乱れに繋がると考えられています。
規則正しい生活を心がけ、睡眠も毎日7時間以上は確保するようにしましょう。

目の神経は後頭部に繋がっていますので、首から後頭部にかけてのマッスルアプローチを重点的に行います。

現代ではデスクワークからくる目の疲れに悩まれる方が多くみられますので、デスクワーク作業時の正しい姿勢や、目を近づけすぎない身体の使い方をアドバイスさせていただきます。