猫背

●日ごろの不良姿勢

近年ではスマホの操作やデスクワークでのパソコン作業などが猫背の原因として挙げられています。
画面に集中していると、しだいにのぞき込む姿勢になっている方は多いのではないでしょうか。
日常的にこの姿勢をとっていることで筋肉が固まりやすくなり、猫背の姿勢に繋がるといわれています。

 

●高すぎる枕

高さの合っていない枕で寝ていると、睡眠中に顔や顎が前に出た姿勢になってしまうことで、猫背に繋がります。

 

●筋力の低下

腹筋や背筋といった体幹の筋力が低下している場合、姿勢を支えられずに背中が丸まってしまうことがあります。
筋力が低下する要因には、加齢や運動不足などが挙げられます。

 

●疲れ目、かすみ目

疲れ目、かすみ目では、顔を前に出してものを見ようとするため、背中が丸まりやすくなります。
度数が合っていない眼鏡やコンタクトレンズを使用していることなどで、より猫背を引き起こしやすくなることが考えられます。

 

●自律神経の乱れ

ストレスによって交感神経が過剰に興奮すると、身体全体が緊張してきます。
身体を伸ばす筋肉よりも曲げる筋肉のほうが強い傾向にあるため、全身の筋緊張によって姿勢が丸まりやすくなる場合があります。
また、姿勢の崩れによってより交感神経が刺激されるという悪循環が生まれる可能性もあります。

●太っているように見える、ぽっこりお腹

反り腰になっている猫背では、お腹がぽっこりと出て実際よりも太って見えることがあります。

 

●肩こり、腰痛

猫背では、前方にかたよった頭を支えるために首から肩、背中にかけての筋肉が緊張しやすくなります。
緊張によって循環の低下を起こし、肩こりや腰痛といった症状を引き起こすことがあります。

 

●手のしびれ、冷え

猫背では、首の前側から胸にかけて筋肉の緊張が強まるといわれています
筋緊張によって、首から腕へと走る神経や血管が圧迫され、手のしびれ、冷えを生じることがあります。

 

●呼吸機能の低下

猫背姿勢では肺や気道が圧迫されるため、息苦しさ、呼吸が浅くなるといった、呼吸機能の低下を招く可能性があります。

呼吸機能が低下すると、脳への酸素供給量が減少するため、集中力や記憶力の低下にも繋がると考えられています。

 

●自律神経症状

頸部の緊張によって交感神経が過剰に興奮し、自律神経の乱れに繋がることがあります。
自律神経は体温や循環、内臓機能、精神の状態を調整しているため、乱れることで頭痛、冷え、ほてり、発汗、下痢、便秘、イライラ、生理不順などのさまざまな不調を引き起こす可能性があります。

●目のストレッチ

疲れ目による筋肉の緊張を解消するために、目のストレッチを行いましょう。

・目をギュッとつむる→5秒間右を見る
・目をギュッとつむる→5秒間左を見る
・目をギュッとつむる→5秒間上を見る
・目をギュッとつむる→5秒間下を見る
目の奥が伸ばされるような感覚があるかと思います。

また、「遠くのものを見る・近くのものを見る」を交互に繰り返すことで、ピントを合わせる筋肉「毛様体筋」のストレッチにも繋がります。

 

●目の体操

目を見開き、上下左右に大きく眼球を動かしていきます。
右回り、左回りをバランスよく繰り返してください。
数回繰り返したら、目をつむって休憩しましょう。

 

●温める

蒸しタオルを当てて、首の後ろや肩、背中を温めましょう。
温めることで血行が改善し、筋肉の緊張緩和が期待できます。

また、目のまわりを温めると眼精疲労の改善にも繋がるためおすすめです。

 

●ストレッチ

筋緊張を緩和するために、首や肩、肩甲骨まわりをストレッチしましょう。
入浴後など、身体が温まっている際に深呼吸をしながらゆっくりと行うことがおすすめです。

・首肩のストレッチ

頭を横に倒し、首から肩にかけての筋肉をゆっくりと伸ばしましょう。
下を向いて頭を上から押さえると、首の後ろ側もストレッチできます。

・肩甲骨のストレッチ

背中側で指を組み、両腕をゆっくりと後ろに引いていくと、肩甲骨を内側に寄せるストレッチができます。
息を吐きながら頭を後ろに倒すと、首の前側の筋肉も伸ばせます。

また、身体の土台となるお尻や股関節をストレッチで柔らかくすると、より姿勢の改善に効果が期待できます。

・お尻のストレッチ

仰向けに寝て片膝を抱え、膝を胸に近づけるようにします。

・股関節のストレッチ

両足裏を合わせて座り、股関節を開くようにストレッチします。

●パソコンの使用環境を改善する

・イスの高さ

足裏が床につき、太ももと床が平行になる高さにイスを調整しましょう。

・モニターの位置や高さ

目線を20度くらい下げたときにモニターが見えるよう、モニターの位置や高さを調整しましょう。

・部屋の明るさ

明るすぎたり、暗すぎたりすると、目が疲れやすくなるといわれています。
ちょうどよい部屋の明るさにしましょう。

 

●姿勢の改善

普段より、肩甲骨の上に頭を乗せるようなイメージで背中を伸ばした姿勢を意識しましょう。
長時間スマホの操作をされる方やデスクワークの方などは、日常的に前屈みになりやすい傾向があります。
時間を決めて休憩を取り、ストレッチをはさむことや、姿勢を見直すことが大切です。

 

●背筋のトレーニング

背中を伸ばした姿勢を維持できるように、背筋をトレーニングで鍛えましょう。

四つん這いになり、左足と右手、右足と左手を交互に上げます。
腰を反らすと腰痛の原因となるため、腕と足は地面と水平になる高さに上げることがポイントです。

 

●大胸筋、広背筋のセルフマッサージ

胸や脇腹の緊張が強まっていると、肩が前に引っ張られやすくなります。

鎖骨下から胸、脇腹にかけてセルフマッサージでほぐしていきましょう。
市販されているフォームローラーを使用すると、自重を使って楽に脇腹をほぐせます。

当院では、姿勢の悪さにより背中が丸まり、首の痛みや肩の痛みに悩まれている方はもちろん、呼吸が浅い、寝付きがよくないなど身体の痛み以外で悩まれている方にも「猫背矯正」を行っています。

ストレッチポールを頭からお尻の付け根あたりに置き、頸部肩関節の筋肉や靱帯を伸ばし、猫背にアプローチを行います。

ほかにも、自宅で行えるストレッチや運動指導をご紹介します。